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眠りについて知ろう

No.81 夏をのりきる快眠術

  蒸し暑い日本の夏に快眠を取るためには、暑熱と多湿対策が最も重要です。
夏の終わりに体調を崩しやすいのも、快眠がとれない状態が続き、疲労が蓄積してしまうのも原因の一つです。また、夏の睡眠中は発汗量が多く、さらに体温調節機能も十分には働かず、水分補給もできないので熱中症の危険性も高く、発症しても周囲に気づかれにくいので危険です。夏は夜間のお手洗い覚醒も減るので、心配せずに就寝前と起床後の水分補給をしっかり行いましょう。

 蒸し暑い日本の夏に快適な睡眠を取るためにまず第一に心がけることは、寝室に日中の熱を溜め込まないことです。
余裕があれば、夏は北向きの風通しのよい部屋に寝室を移動するのも一つの方法です。南向きや西向きの窓のある直射日光が差し込む寝室は、内側の遮光カーテンだけでは、日中に部屋の中に熱がたまり込んでしまう欠点があります。窓に断熱フィルムを張る、窓の外にすだれを掛ける、緑のカーテンを作るなどの窓の外で熱を防ぐ対策が効果的です。
防犯の不安がなければ、夕方から窓と扉を開け、風を通して寝室内の熱を外に放出しましょう。緑のカーテンが作ってあれば、植物に水をやり葉からの蒸散を促すと、より効果があります。東向きに窓のある寝室では、光と熱が朝早くから入ってきて、早朝覚醒を促す原因になります。前述の温度対策とともに、遮光カーテンやシャッターでの光対策も必要です。

 今年の夏も例年なみとの予測です。快眠のためには、就寝時にエアコンを上手に使うことが望ましいのです。
夜10時以降の電力使用量は少なく、電力消費をあまり気にかける必要はないでしょう。寝室には容量の大きい「おやすみタイマー」と「おはようタイマー」のついたエアコンを設置するのが理想です。就寝30分前からは、涼しいと感じられる設定温度(26~28℃)で寝室のエアコンをつけておきましょう。エアコンは持続的に動かし続けた方が電気の消費量は少なくなります。3~4時間程度は動かしておくとよいでしょう。
寝つきの良さと眠った後の3時間の熟眠が、快眠のポイントです。特に、幼児や高齢者、体の具合の悪い方は、枕元に温湿度計を置いて、温度29℃以上あるいは27~28℃でも湿度70%以上の夜はエアコンをしっかり使いましょう。冷房を使用する際には、寝室に熱だまりを作らないよう扇風機やサーキュレーターを併用し、直接身体に風があたらないようにベッドや布団の位置を考えましょう。朝に暑くて目がさめてしまい睡眠が不足する人は、午前5時すぎからエアコンを入れるようにタイマーをセットすると、しっかり眠れます。

夏は、入浴のタイミングも快眠のためには重要な要素になります。
日中に冷房や外気の暑さにさらされて体温調節機能が過剰に亢進してしまう場合もあります。夕方の深部体温が最も高くなる時間帯(午後5~7時前後)に42℃以上の熱い湯温で入浴し、温度負荷をかけることで体温調節機能をリセットすることができます。また、高温多湿の環境では、就寝間際の入浴はぬるま湯でも深部体温が下降しにくくなることもあり、そのような場合は、事前に寝室をしっかり冷房し湿度を下げておくか、就寝2時間以上前に入浴するようにするとよいでしょう。

寝装具も、夏対策が必要です。
夏の枕には、頭部からの汗を吸い取り頭を冷やす役割が求められます。吸湿性と放湿性が良好で通気性の良い素材を選定し、ダニの発生も多いので洗えるものが望ましいのです。敷寝具は比熱が低く、透湿性の良いものを、掛寝具は吸湿性と放湿性が良く、皮膚を痛めない素材のものを選びましょう。シーツやベッドパッドは、麻の素材のものが自然素材の中では日本の夏に適しています。冷却ジェルを使う場合には、タオルを巻いて頭部と足下だけにしましょう。眠りついてしばらくすると体熱で暖まって用をなさなくなります。頭部と足下の小さなものであれば、無意識に外してしまい問題が生じることも少ないでしょう。



文章:国立精神神経センター・精神保健研究所 医学博士 白川修一郎先生

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会