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眠りについて知ろう

No.76 体内時計の可能性

過去の記事では、私たちの体に備わっている体内時計が睡眠覚醒のリズムに大きく影響すること、また、睡眠覚醒のリズムが乱れると、体内時計にも影響することなどをご紹介しましたが、最近の研究によると、体内時計は睡眠だけでなく、私たちの健康や生命システムにも深く関わっていることがわかってきました。

体内時計は体の多くの機能を動かすスイッチ

最新研究によると、私たちの細胞のひとつひとつに時計遺伝子が存在し、それらが複雑に絡み合い、体のいろいろな機能のスイッチの役割を担っていることがわ かってきました。それは、睡眠覚醒、血圧、体温、ホルモン分泌のリズムだけでなく、病気の発生にも深く関わっているようです。

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左記の図からわかるように、1日の間には喘息が起きやすい時間、アレルギー症状が出やすい時間、心筋梗塞が発生しやすい時間などがあることがわかってきて いますが、こうした現象には体内時計が深く関与していると考えられ始めています。たとえば、高血圧の原因のひとつは、体内時計の乱れにより、血圧をコント ロールする酵素が止まりにくくなり、そこに塩分が入ってくることで起こると考えられるようになっています。

こうした病気の発生だけでなく、集中力が最も高くなる時間、体力が最高になる時間などもあることがわかってきているので、健康的でかつ効率的な生活を送りたいという方は、今後の体内時計の研究にご注目を!

病気の予防や生命システムにも関与

体内時計は、病気の発生を予期するだけでなく、病気の予防や治療、さらには再生医療にも役立つ可能性があるようです。実は免疫力が強まる時間、細胞分裂が 盛んになる時間などがあることもわかってきており、すでにある病院では、副作用が少なく、高い効果が得られると、体内時計に合わせた抗がん剤治療が始めら れています。 また、細胞分裂のリズムを解明することにより、新たな細胞が作り出せるのではないかと、再生医療の分野でも注目され始めています。

そんな重要な体内時計ですが、その時計を正しく動かすには、規則正しい睡眠と食事を心がけ、起きたら朝の光を浴びることが重要。睡眠と朝の光は脳の視床下 部にある主時計のリズムを整え、規則正しい食事は内臓の時計を整えるのに役立ちます。健康を保ちたい人は今一度、生活を見直し、体内時計を整えましょう!

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会