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眠りについて知ろう

No.69 深夜労働と交代制勤務

現代は24時間稼動型の社会システムになっていますが、それは深夜労働や交代制勤務に従事する人たちがいることを示すと同時に、便利で快 適な生活が、そうした人たちに支えられていることを意味します。普通の生活をしていると、ついそのことを忘れてしまいがちですが、彼らの生活は想像以上に 苛酷。今のまま軽視し続けると将来、社会生活にも支障が出る可能性があります。

3交代制は体に大きな負担になる!

普通の生活をしている人にとっては、深夜労働や交代制勤務と言っても、あまりピンとこないかもしれません。でも、夜、突然病気になったら?…と言われた ら、その存在の大きさに気づくはず。それでも、お金をもらっているのだからあたり前だし、自分で選んだ職業じゃない?…そんなクールな感想をお持ちの方も いるかもしれません。でも、深夜労働や交代制勤務は概日リズムが乱れやすいため、日勤で働く人と労働時間は同じでも体への負担ははるかに大きいと言えま す。

交代制勤務は、日勤(朝から夕方)、準夜勤(夕方から深夜)、深夜勤(深夜から朝)の3交代制が一般的で、日勤→深夜勤→準夜勤の順で仕事時間が移動する ことが多いようですが、実は生体リズムのしくみから言うと、このような生活は寝る時間を早める必要があるため、適応するのが難しいと言われています。その ため、不眠や時差ボケ、体調不良に陥ってしまう人も少なくないようです。睡眠不足は作業効率を低下させ、ヒューマンエラー(事故発生)のリスクを高めるた め、一般の人にとっても他人事ではありません。実際、交通事故の中には過酷な労働シフトによる居眠りが原因であることが少なくないようですし、厚生労働省 の調査でも、夜勤の人は健康障害を訴える割合が日勤よりも多く、胃腸病、高血圧性疾患、睡眠障害、肝疾患、糖尿病などになる確率も高いことが報告されてい ます。

負担を配慮した生活環境が必要

現在、病院、警察、消防をはじめ、夜勤交代勤務を採用する企業・団体は全体の15~20%、深夜労働に従事している人は全労働人口の約9%、600万人に も及ぶと言われていますが、彼らは常にさまざまなリスクと戦いながら毎日を送っているわけです。でも、どれだけの人がその苦労を理解してきたでしょうか?  睡眠や生体リズムの重要性が知られてこなかったためか、特別な配慮は何もせず、彼らの精神力や正義感、責任感に甘えてきたように思います。最近では急病 でもないのに深夜に救急車を要請する人が増えていると言われていますし、規制緩和・自己責任という名目で、何の保障もない派遣社員に過酷な夜勤労働をさせ る企業も増えています。今のままでは彼らはさらに追い詰められ、やがては社会システムが崩壊してしまう恐れがあります。

実際、産婦人科医や看護師、介護者が不足していると言われていますし、先日も救命救急医が集団で辞職してしまったという報道がありました。その主任医師は 「自分自身の体も限界だが、若い医師に夢を持たせることができなくなった」と述べています。より良い社会を築くためには、今のシステムを見直すと同時に、 夜勤や交代制勤務の過酷さをもっと深く理解し、それに見合う報酬や待遇を整えることが急務だと言えるでしょう。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会