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眠りについて知ろう

No.63 更年期・老齢期の眠り

人の眠りは年代によって変化しますが、更年期以降はぐっすり眠れないと訴える人が増えます。そこで今回はその理由と更年期・老年期の眠りについてご紹介します。

更年期は自律神経の乱れで眠りが乱れやすい

睡眠は体温や性ホルモンによっても影響を受けることが知られていますが、閉経を迎える前後は、女性ホルモンが急激に減少する影響で、さまざまな不調=いわ ゆる更年期障害が現れることがあります。のぼせ、発汗、冷え(血管運動神経症状)をはじめ、動悸、めまい、耳鳴り、睡眠障害(自律神経症状)、抑うつ、不 安、イライラ(精神症状)、肩こり、関節痛、腰痛(運動器官症状)、消化器症状、皮膚症状など、その症状はさまざまですが、睡眠障害も起こりやすいようで す。ここで注意したいのは、その後の対処です。つい、安易に睡眠薬を服用してしまう人がいますが、更年期障害であることも多いので、まずは婦人科に相談す ること。症状がひどくなってからより軽いうちのほうが回復が早いともいわれているので、我慢せず、早めに相談するのがおすすめです。

また、次の章で述べますが、実は睡眠の質は年齢と共に低下するので、眠れない場合でも、あまり慌てずに、婦人科や睡眠外来にきちんと相談をして、普段の生 活を見直してみることも必要です。ある調査では、50歳以降になると不眠を訴える女性が増えると言われていますが、その理由は更年期障害やストレスばかり でなく、加齢による場合も少なくありません。実際、脳波などで調べてみると、十分に眠っているのに、主観的には熟眠感が得られないという人も少なくないよ うです。こうしたギャップをなくすためには、人の眠りは年齢と共に変化するということを覚えておくことも必要です。

高齢になると深い睡眠が減少する

よく、年をとると朝が早くなるといいますが、実際、人の睡眠時間は成長するに従って短くなり、レム睡眠量も減少する傾向があります。とくに高齢になると、 (1)深い睡眠が減る(2)寝つきが悪くなる(3)中途覚醒しやすくなる(4)早めに目が覚めるといった不眠と同じ症状を訴える人が増えます。ですから、 若い頃のような熟眠感が得にくくなるのは仕方がないことだと言えるのです。しかし、生活を見直すことにより、ある程度睡眠の質は改善できるので、快眠を得 たい人はぜひ、快眠法を実践しましょう。とくに、日中の過ごし方には注意が必要。日中、何時間も眠ってしまったり、運動をまったくしないという人は眠りの 質が低下しやすいので気をつけましょう。

高齢者は夜中のトイレに留意を

高齢者の2人に1人は夜中にトイレに起きると言われていますが、2回以上トイレに起きる人が、不眠を訴える場合が多いようです。今まで述べてきたように、 高齢者は老化によって睡眠機能が低下している上、膀胱容量も減少しています。そのため、ちょっとした刺激で目が覚めやすく、目が覚めるとなんとなく心配で トイレに行ってしまうという場合も多いようです。

気を付けたいのはトイレまでの環境です。明るい光を浴びてしまったり、トイレまで遠かったりするとしっかりと目が覚めてしまい、再入眠できなくなってしま うことがあります。また、循環器系に障害がある人は、室温の変化にも注意が必要です。寝床内の温度は冬でも33℃前後ありますが、冬季のように室温が 10℃程度と低くなると、体は急激な温度差にさらされるため血圧上昇を引き起こし、危険です。中途覚醒時の体は、高齢者に関わらず誰しも、血圧の低下、深 部体温の低下、筋の緊張の低下といった状態にあるため、体がうまく動かず、転倒のリスクも高まります。そういった問題を解決するためには、(1)トレイは 寝室から近くして導線をスムーズに保つ(2)トイレや廊下の明かりは暗めにする(3)夜中でもトイレや廊下を適度な室温に保っておくといったことが必要で す。 高齢者の中には夜中にトイレに行かなくてすむよう、極端に水分カットをする人がいますが、それでは睡眠中に血液がドロドロ状態になり、危険です。あまりに トイレが近い人は専門医に相談をし、夜中の睡眠を深くするためには日中の過ごし方を見直しましょう。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会