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眠りについて知ろう

No.57 睡眠と体温

私たちは約24時間の周期で睡眠と覚醒を繰り返していますが、こういったリズムは生体リズムと呼ばれます。体にはこの睡眠覚醒リズムの他、体温リズムなど、さまざまな生体リズムが備わっています。体温については熱があるときくらいしか意識しないという方も多いと思いますが、体温リズムを知ることは健康・快眠を得るためにとても重要です。

体温は日中高く、夜低くなる

体内時計が作り出す生体リズムにはさまざまなものがあり、半日の周期、1日の周期、1週間、1ヵ月、1年の周期と周期もそれぞれです。私たちの体はそう いった生体リズムがかみ合いながら健康に、そして機能的に保たれています。その中でも「体温リズム」は健康を保つために重要なだけでなく、睡眠覚醒リズム に大きく影響することがわかっています。

この場合の体温リズムとは直腸で測る深部体温のことを指しますが、「低体温に気をつけて!」でも述べたように、朝の目覚めや寝つきに関わるだけでなく、日 中の活動量、免疫力、消化力などにも深く関わり、まさに生命の源ともいえる重要な機能のひとつです。雪山などで低温にさらされると、手足が凍傷を起こすこ とがありますが、これは生命維持(臓器の機能を守る)に重要な深部の体温を維持するため、体は、まず四肢の血流を遮断するように働くからだと考えられてい ます。

体温リズムは通常、明け方から高くなり、日中は高い状態を保ち、夜にかけて低くなり、夜中に最低になる(その高低差は37.2℃~38.2℃と1℃程度で すが、1℃の変化は体にとっては大きな影響があります)という24時間のリズムをもっています。これは、日中は体温を上げて活動しやすく、夜は体温を下げ て休息(睡眠)しやすくするのに役立っていますが、体の恒常性を保つためにも欠かせません。

毎日の生活で体温リズムを整えましょう

日中高く、夜低くなる体温ですが、(1)加齢による体温調節機能の低下、(2)運動不足による体温調節機能の低下、(3)冷え、(4)血行不良(低血圧を 含む)、(5)性ホルモンなどの変化(女性は月経により高体温になるときがある)、(6)病気などがあると、夜になっても体温が下がらない、朝になっても 体温が上がらないといったことが起こり、睡眠の質が低下したり、体に不調を起こすことがあります。

月経や病気の場合は仕方ないことですが、それ以外は普段の生活である程度防ぐことができます。最近、寝つきが悪い、消化力や免疫力が落ちているような気が するといった方は、体温リズムをチェックしてみてはいかがでしょう。月経のリズムを整えるためにも体温リズムを正しく作用させることは大切です。

といっても、深部体温は肛門から体温計を入れて測定するため、自分で確認することはできないので、わきの下または舌下で朝晩測定し、その変化を観察してみ るとよいでしょう。深部体温に比べて値は低くなりますが、それでも最高体温が36℃以下という人は、深部体温も低くなっている可能性があるので、生活改善 を。また、手足が冷えていたり、四肢(末梢)の血流が悪くなっていると、深部の体温がうまく放熱できなくなるため、寝付けなくなることがあります。そんな 方はとにかく体を温め、血流をよくすることが必要です。

今日から実践! 体温リズム改善法

  • 朝、起きたら太陽の光を浴びる
  • 温かい朝食を食べる
  • 日中は活動的に過ごす
  • 週に3日程度(できれば夕方以降)、軽い運動(有酸素運動を30分程度またはストレッチや筋力トレーニング)をして体温を上げる→運動不足になる と、血行が悪くなるだけでなく、汗腺も減少するため、体温調節機能が低下しやすくなります。運動はそれを改善するのに効果的。また、運動後は熱が全身をめ ぐって冷やされ深部体温が少し下がるため、寝付きやすくなります。ちなみに、高齢者が熱中症を起こしやすいのは、脱水のせいだけでなく、熱放散がうまくで きなくなることも要因のひとつなので、日頃から運動で汗腺を刺激することは大切です
  • 体を冷やさない(とくにお腹)
  • 冷たいもの、体を冷やすものは飲み食いしない
  • シャワーではなく、お風呂で温まる(健康な人の場合。病気や妊娠中の人は医師に相談を)→運動と同じ効果が期待できます
  • ボディマッサージをする
  • ストレスをためない(末梢の血流を悪くします)
  • エアコンは使いすぎない→室温と外気の差が大きいと自律神経(体温調節機能)に影響することがあります

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会