質の良い眠りをサポートする、睡眠・快眠の情報満載 快眠コンソーシアム

  • 快眠コンソーシアムとは about us
  • プレスリリース press release
  • お問い合わせ contact.html
トップページ > 眠りについて知ろう > No.46 女性ホルモンと睡眠

眠りについて知ろう

No.46 女性ホルモンと睡眠

「40代女性がもっとも睡眠不足」で ご紹介したように、現代女性は忙しさのあまり睡眠不足になっている人が多くみられますが、実は、忙しさ以外にも眠りを左右するものがあります。それはズバ リ「女性ホルモン」。女性ホルモンはご存知のように、約1ヵ月の周期で訪れる月経や、妊娠、女性らしさをつくりだす源ですが、眠りにも影響します。そこで 今回は、女性ホルモンがどのように眠りに影響するかをご紹介します。

黄体期には眠気が強くなるが眠りにくい?

女性ホルモンは思春期から増え、女性は月経を迎えます。月経は、脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(エストロゲン)※1と黄体ホルモン(プロゲステロン)※2が規則正しく周期的に血中に分泌されることによって起こりますが、月経周期は体内時計が関わっていて、生体リズムの1ヵ月の周期とほぼ一致します。そのため、体内時計を整える規規則正しい生活や十分な睡眠は、月経周期を安定させるために不可欠だと考えられます。

※1 エストロゲン:女性らしさをつくるホルモン。10歳くらいから分泌量が増え始め、子宮や乳房などの発育や脂肪沈着作用があります。最近では自律神経、感情、骨、皮膚、関節、粘膜、筋肉、脳など、さまざまな体の働きに関係していることが明らかになっています。

※2 プロゲステロン:妊娠を助けるホルモン。受精卵を受け入れ(着床)しやすいように子宮内膜の状態を整えますが、未受精の場合は約2週間で内膜を壊し(掃除して)、月経が生じます。

生理が始まってから次の排卵までの卵胞期はエストロゲンの分泌が増え、体(肌)も心も、そして眠りも安定します。しかし、排卵を境に次の生理がくるまでの黄体期は、プロゲステロンの分泌が増え、その変動によって体調は一時的に不安定になります。

プロゲステロンには睡眠作用があり、黄体期や妊娠初期は眠くなりやすいといわれていますが、ご存知のように黄体期は基礎体温が高くなるため、夜 になっても深部体温が低下せず、寝付きにくくなったり(私たちの体は深部体温を放熱し、体の中心の体温が下がると眠りやすくなる)、眠りの質が低下してし まうことがあります。眠いのに、いざ眠ろうとするとぐっすり眠れないというまさに女性特有の不安定な状態になりやすいのです。

黄体期は肌の状態が悪くなるだけでなく、ホルモンの変動で感情も不安定になりやすいため、それがストレスになることがあります。ストレスは眠りを妨げる要 因のため、一層眠りにくくなってしまうことがあるので、ストレスがたまらないよう排卵期や生理前後はムリをせず、ゆったり過ごすようにしましょう。

ライフステージで変わる女性の眠り

女性の場合、生理時だけでなく、実は妊娠時や更年期なども女性ホルモンの影響を受けるため、眠りが変化します。
まず、妊娠時については、妊娠初期はプロゲステロンの作用により、眠気を感じやすいといわれています。まさに体を休めて新たな命を育むために備わった神秘 ともいえるのですが、つわりがひどい人は、やはり眠たいのになかなか眠れないという状態になってしまうことがあります。中期は正常に戻りますが、後半はお 腹が大きくなって寝姿勢が保てないことなどで中途覚醒が増えます。妊娠末期も同様に寝つきの悪さや、中途覚醒の増加が見られますが、睡眠状態が悪いと、マ タニティーブルーが悪化しやすいといわれているので、妊娠後半は意識して規則正しい生活を心がけ、日中は少し運動をしたり気分転換して夜ぐっすり眠れるよ うに気をつけることが大切です。

一方、更年期も、やはり女性ホルモンの分泌状態が変動するため、寝つきが悪くなったり、眠りの質が低下しやすくなりますが、更年期以降の眠りについては次号でご紹介します。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会