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眠りについて知ろう

No.45 春はムリせず、ぐっすり眠ろう

あちこちで桜が咲き、さまざまな植物や生き物が目を覚ます春。私たち人の生活も一新し、気分は高揚して意欲が高まる季節です。でも、実際には、落とし穴も少なくありません。いわゆる「五月病」などにならないためにも、春の体の状態について認識し、十分な睡眠と規則正しい生活を心がけ、体調を整えましょう。

春はストレスに注意!

日本人の睡眠時間は、季節によって変動することがわかっていますが、冬は睡眠時間が長く、春夏は短くなる傾向があります。冬の睡眠が長くなるのは、日照時 間の短さと気温の低さにより、【1】朝、目覚めにくい(体内時計がリセットされにくい)こと、【2】寒冷刺激で交感神経系が刺激されるうえ、熱が放出され にくいため深部体温が下がりにくいこと、【3】日中の活動量が減ることなどの影響で眠りが浅くなり、それを補うように睡眠時間が長くなると考えられていま す。それに比べ春は、日照時間も長くなって気温も上がり、活動量も増えるため、深く眠れるようになります。

そのため、春は多くの人がぐっすり眠れるようになるはずなのですが、今のような春の初めは、三寒四温といわれるようにまだ気温の変動が激しく、さらに、進学、入社、転勤、引っ越しなどで環境が変わる人が増えます。こうした気温や環境の変化は、人にとってはストレスになるため、体の機能にも影響することがあります。そのため、表面的には前向きな気分でいても、知らず知らずのうちに脳や体には疲労がたまり、体調を崩してしまうことがあるので注意が必要です。

ストレスを解消し、免疫機能をアップして体調を整えるには睡眠が有効ですから、新たな生活に慣れるまではムリをせず、春の眠りやすさを利用して、その日のストレスはその日に解消できるように心がけたいものです。

ただ、過去の記事「ストレスは眠りの大敵」で述べたように、強いストレスや慢性的なストレスは、眠りの妨げになることがあるため、眠りたくても眠れない状態になってしまうことがあります。それは、ストレスが自律神経の交感神経系を刺激する(夜になっても頭が休まらない)ためですが、そうなると、ストレスが増えるウイークデーは睡眠不足が続き、ストレスが減る週末に一気に睡眠不足を解消するような生活パターンになりがちです。過去の記事「週末の過ごし方に注意」でご紹介したように、平日と週末の生活時間に大きな差ができると、体内時計が乱れ、 月曜日の朝、起きるのがつらくなったり、一層、眠りの質が低下してしまうことがあるので、そうならないよう、毎日はムリでも週に2~3日は仕事やストレス を軽くし、週末に大きな疲れがたまらないようにすることが大切です。学校や仕事が楽しいと感じられる人はまだよいのですが、新たな環境になじめなかった り、楽しさを見出せない人、ストレスを感じやすい(ストレスに弱い)人、頭を使っている人などは、自分が感じている以上に脳が疲労しやすいので、ムリは禁 物です。

ストレスを放置してしまうと自律神経が乱れ、疲れているのに眠れない、寝ても寝ても眠った気がしないといった睡眠トラブルが現れやすくなるだけでなく、うつなどを引き起こす原因にもなるので気をつけましょう。

今まで夜型生活をしていた人は、要注意!

もうひとつ気をつけたいのが生活時間です。日本人は、受験勉強や大学生活を機に夜型生活になる人が多いようですが、4月から朝早く起きる生活になった人 は、やはり注意が必要です。夜型からいきなり朝型にするのは、海外旅行の時差ボケと同じで、体にはかなり負担となります。寝坊したり体のだるさを感じたこ とを機に学校や会社を休んでしまったり、夜型に逆戻りしてしまう可能性もあるので、今の時期は意識して規則正しい生活を心がけて。今まで夜型だった人は、 つらくても起床時刻を一定にし、朝起きたらしっかりと太陽の光を浴びましょう! 週末だからといって夜更かしするのは禁物。朝型生活が身につくまで週末も起床時刻に合わせた生活にしましょう。

朝、心地良く起きるには、日中に楽しいことを見つけること。いつも寝坊な子どもが遠足の日はスムーズに起きられるように、起きたら楽しいことがあると感じられる何かを見つけることも朝型にするのに役立つので、ぜひ、見つけてみてください!

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美
参考図書:「睡眠とメンタルヘルス」(ゆまに書房) 監修/上里一郎 編/白川修一郎

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会