No.35 睡眠でむくみをすっきり
睡眠は重力の影響を開放し、むくみを解消する
夕方になると脚がむくむ大きな原因は、重力の影響。水分や栄養を含む血液は、心臓から動脈を通って全身に送られます。そして、細胞などで代謝され、老廃物 や余分な水分は、静脈やリンパによって回収されます。しかし、心臓という力強いポンプで流れている動脈とは異なり、静脈やリンパ管の流れはゆるやか。さら に、脚は心臓から遠く、重力の影響を受けやすいため、立った状態にある日中は水分がたまりやすく、夕方になるとむくみが起こります。
でも、一晩、横になって眠れば、重力から開放され、さらに副交感神経が優位になるため血流が促され、朝にはむくみが解消して、すっきりします。
ただ、睡眠不足だったり、フラットなベッドではなく椅子のようなところで寝たりするとなかなか解消しません。血流が悪い人、体が冷えている人(血流が悪く なる)、筋肉が少なく運動不足の人(リンパの流れは筋肉の収縮によって促されるため)、皮膚が柔らかい人(リンパはとても柔軟で何倍も膨らんで水分を抱え 込むため、皮膚が柔らかいと膨らみやすく、水分を静脈やリンパに押し戻せないためむくみやすい)、塩分を摂りすぎの人(塩のナトリウムは多くの水分を抱え 込む性質がある)、ストレスが多い人(血管が収縮する)などは、むくみやすいので、生活を見直すと同時に快適な寝具で十分に眠ることが大切です。疲労が蓄 積されると流れが悪くなり、さらにむくみやすくなるという悪循環になるので気をつけて。
たかがむくみと思うなかれ
脚に現れやすいむくみは、女性にとっては深刻な問題ですが、一時的なものだし、放っておいても・・・と思う方もいるかもしれません。でも、むくみを放置するのは美容面だけでなく、健康面でもマイナスです。
むくみの正体は老廃物や二酸化炭素を含む水分。それを放置すると、血管やリンパが圧迫され、ますます回収されにくくなります。すると、行き場を失った水分は脂肪細胞の栄養になり、セルライトという代謝されにくい肥大化した脂肪になってしまいます。
さらに、細胞は酸欠状態となるため、疲れやすさ、肌のくすみ、免疫力の低下なども起きやすくなります(リンパは菌などを退治する働きがあるため、この流れ が悪くなると免疫力も低下)。たかがむくみと思っていると、慢性的に脚が太くなるだけでなく、疲れやすい体になってしまうのです。また、体は酸素を供給し ようとして多くの血液を送り込むため、血圧が上がる原因にもなるといわれています。
寝る前には脚を高くして
むくみにくくするには、日中は何時間も同じ姿勢をせず、まめに体を動かす(かかとの上げ下げやウォーキングでふくらはぎを刺激する)。体を温めて血流をよ くする。塩分の摂りすぎに気をつける。ストレスをためないといったことに気をつけて。きついガードルやタバコなども血流を悪くする原因なので要注意。ま た、寝る前にはゆっくり入浴をして脚を温め、少し足先を高くして眠るのも効果的。余裕のある人は、脚をさすり上げるなど、軽いマッサージをして流れを促し ましょう。冬は寒さで冷えやすく、血液やリンパの流れが滞りがちになるので、むくみ解消生活をぜひ習慣に!
朝起きたときは逆に脚ではなく、顔がむくむことがあります。そんなときは顔を少し温め、その後、マッサージをしてから、冷水で引きしめましょう。
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美