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眠りについて知ろう

No.33 生体リズムと体内時計

私たちはあたり前のように朝起きて夜眠るという生活をしていますが、これは、私たちの体に備わっている生体リズムの働きによるものです。
生体リズムには、睡眠覚醒リズムだけでなく、体温のリズム、ホルモン分泌のリズム、血圧のリズムなどさまざまなリズムがあり、その周期も約24時間を刻むリズム(概日リズム)、約12時間を刻むリズム、約90分を示すリズム、約1ヵ月のリズムといろいろ。つまり、私たちの体はいくつもの体内時計が生み出すさまざまな生体リズムによって、理想的な状態に維持されているわけです。裏を返せば、いずれかの時計が乱れると、私たちの体には何らかの不調が出やすくなってしまうのです。

睡眠覚醒リズムは乱れやすい

生体リズムは機械時計のようにぴったりした時間を刻んでいるわけではなく、人によって個人差があることがわかっています。睡眠覚醒リズムと一致する24時間のリズムも、実は人によって24±4時間の幅があり、その範囲を超える人さえいると報告されています。それにも関わらず、24時間で生活できているのは、生体リズムが自律的(外界の変化ではなく、体内時計によって起こるもの)でありながら、太陽など、外界の環境因子に同調して変化する特質(ただし、温度の影響は受けない)を持っているからです。

しかし、同調する範囲には限界があるため、海外旅行などで一気に何時間も生活時間が変わると、現地の生活時間に同調できなくなるため、時差ボケが起こります。ちょっとむずかしい言葉ですが、外的環境と生体リズムが一致しなくなることから、この状態を外的脱同調といいます。数日して時差ボケが解消するのは、生体リズムが徐々に調整され、現地時間に同調するためです。

もうひとつ、不規則な生活をしている人に起こりがちなのが、内的脱同調です。ずっと同じ場所で生活しているのに、不規 則な生活(交代勤務や夜勤などを含む)などをしていると、いくつもある体内時計同士が同調できなくなり、生体リズムが乱れることがあります。通常、体温は 起きる少し前から高くなり、夜になると下がり始め、夜中にもっとも低くなります。それが眠りやすさや深い眠りにも大きく影響しますが、内的脱同調が起こる と、起きる時間なのに体温がまだ上がっていない、眠る時間なのに体温が下がっていないなど、理想的なリズムから外れ、眠れない、だるいなど、時差ボケと同 じようなことが起きることがあります。

規則正しい生活が大切!

質の良い眠りを維持し、体調を万全にするには、生体リズムを乱さないことが欠かせないわけですが、そのためには、規則正しい生活を心がけることが重要です。ただし、この場合の規則正しい生活とは、単に同じ時間に寝起きすることではなく、生活している場所の太陽の動きを意識して生活することです。

外界の時間がわからない中で数週間過ごすという実験を行った研究者がいますが、被験者の生活は毎日どんどん後ろにずれ、数日後には昼夜逆転状態になったと いいます。また、それだけではなく、体にも不調が現れたと報告されています(それぞれの時計がバラバラに動き始めた内的脱同調が起きたと考えられます)。

この結果と時差ボケの結果からいえるのは、私たち人は、体内時計だけを頼りに生きることはできず、太陽のような外的要因が必要であること。同時に、太陽の光を浴びる時間が一気に変わってしまうことに対してはすぐには対応できないということです。

生体リズムを乱さないためには、なるべく同じ場所で過ごし、その場所の太陽の時間に合わせて生活することが理想だといえます。長い歴史の中で、私たちの体 は自然に自分が生きている場所の太陽の動き(地球)と同調するように形成されたと考えられ、ジェット機のように、一気に生活時間が変わる生活や、自分勝手 な生活、昼夜逆転した生活など、現代的な生活にも対応できないといえるのです。

今までも、太陽の光は体内時計を調整するとても大きな要素と延べてきましたが、昔ながらの自然に即した生活が、人にはもっとも負担のない生き方というわけです。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会