
夜更かししても、「早く寝かしつければすむこと」と思っている方もいるようですが、睡眠のリズムは1日のリズムに支配されているうえ、眠気(「眠たい」と いう睡眠欲求)は、砂時計のように覚醒時間が長くなることによって起こります。そのため、夜更かししてお昼まで寝ているような生活をしていたら、いくら早 く寝るようにいいきかせても、なかなか眠ることはできません。それを知らず、きつくしかりつけてばかりでは、子どもたちに気の毒です。
夜更かしを正すには、早く寝ることではなく、「朝起きる」ことから始めましょう。ただし、ずっとお昼まで寝ていた子どもを、いきなり6時に起こすのはかな り酷。起床時間が大幅にズレている場合は、時差ボケを改善するのと同じように、早めるのは2時間くらいにして(今までお昼だったら10時に起きることから スタート)、それを3~4日続け、4~5日目にさらに2時間早めるといった要領で起床時間を調整し、その間に寝る時間も少しずつ早めて、定時の生活時間に 戻していきましょう。
受験生も、本番の試験は朝9時にスタートするのが一般的ですから、その時間にしっかり脳が活動している状態にするには、夜遅くまで勉強させるより、朝早く起こして午前中にしっかり勉強させるスタイルにしたほうが有効だといえます。
朝はまず、窓を開けて太陽の光を浴びさせ(生体時計を調整する)、目覚めを促しましょう。大切なのは、何故、そうすることが必要なのかをきちんと子どもに 説明すること。朝起きられるようになるまではつらいものですし、体のつらさは気分にも影響するため、やる気や意欲も起こりにくく、せっかく起こしても八つ 当たりされるだけ。子ども自身も眠りの誘惑に負けやすく、ダラダラ動かない生活になりやすい状態にあるので、それを説明し、新学期を気持ちよく迎えるため には、時間と根気が必要なことを理解してもらいましょう。そうすれば起こす親も起こしやすく、起きる子どもも起きやすくなり、親子関係も崩さずにすみま す。
時差ボケと同じで、初日はかなりつらく感じると思いますが、長い昼寝をしてしまうと、夜眠れなくなってまた夜更かししてしまうので、できればどこか遊びに 連れ出すなど、子どもが楽しいことを体験させて(体を動かすものが好ましい)しっかり覚醒を促しましょう。そうすればダラダラ過ごさずにすみ、その日の夜 は早く眠れるようになり、次の日の朝はまた、早く起きられるようになります。
文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美