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眠りについて知ろう

No.28 時差ボケを防いで海外旅行を快適に!

そろそろ夏休み。休暇をとって海外へ出かける方も多いと思いますが、気になるのが時差ボケです。夜中に目が覚めうまく眠れず、観光中も頭がボーっとする。気分が悪く、食欲もない。そんな状態ではせっかくの旅行も楽しめません。海外に行くたびに調子が悪くなるという人は、事前の対策で時差ボケを最小限にする工夫をしましょう!

時差ボケは生体リズムと生活時間のズレによって起こる

5時間以上の時差のある地域へジェット機などの速い乗り物で急激に移動した場合、生体リズムと到着地の生活時間との間にズレが生じるため、心身の機能が一時的に不調和状態になることがあります。それがいわゆる時差ボケです。
主な症状としては睡眠障害、眠気、精神作業能力の低下、疲労感、食欲不振、頭重感などがあげられ、その程度には個人差があるものの、海外旅行をする人8割以上の人が何らかの症状を感じているといわれています。

私たちの生理現象の多くは、25時間くらい(個人差がある)の周期で変動しているサーカディアンリズム(生体リズムの一種で、1日のリズムのこと)に依存 していますが、それらの生理現象は複数の生体時計によって動いており、生活時間や太陽の光といった外的要因によって24時間に調整されています。そのた め、一気に生活時間がズレるとサーカディアンリズムが乱れるばかりか、生体時計の種類によってズレ方が異なるために、それぞれの生理現象が起こるピークの 時間帯がバラバラになるため体の機能が低下して不調が起こりやすくなるのです。

日数が経つと生体リズムは次第に現地の生活時間に同調していくため、時差ボケ症状は解消されていきますが、それにかかる日数には個人差があり、加齢ととも に同調機能は低下するといわれています。一般に、若年者では自律神経系、睡眠とも約1週間、高齢者では自律神経系の再同調は1週間、睡眠は10日を必要と するといわれ、サーカディアンリズムを後退させる(1日のリズムを長くする)必要のある西行き旅行より、前進させる東行き旅行のほうが時差の症状は重くな る傾向があります。
また、普段、規則正しい生活をしている人ほど、時計のズレをはっきり感じやすいため、時差ボケ症状を感じやすいようです。そういうと、不規則な生活をして いる人のほうが適応能力があり、海外旅行に向いているように思われがちですが、そうではありません。規則正しい生活を送っている人は、普段は時計が正しく 動いていると考えられます。そのため、時差ボケは感じるものの、同調すれば睡眠の質も体の機能も高い状態が保たれやすいといえます。しかし、不規則な生活 を送っている人は、時計が乱れることが多いため、国内にいても時差ボケに近い状態にあるため、海外に行っても気づかないというのが実態。日本にいても海外 にいても眠りの質、体の機能とも低下しやすい状態にあるため、健康の面からいえば、よくないのです。

これで万全?! 時差ボケ対策

1.旅行前は十分な睡眠を
時差ボケを軽減するにはいくつかの対策が考えられますが、睡眠が不足していると、時差症状による睡眠障害がでやすいといわれているので、旅行前には十分な睡眠をとっておきましょう。

2.東への旅行はサーカディアンリズムを前進させる
東へ旅行する際には、サーカディアンリズムを前進させる必要があります。そのためには、起床直後から30分程度外光を浴びること。サーカディアンリズムが 1~2時間前進できるといわれています。また、昼食・夕食の時刻を前進させることも代謝のリズムを前進させるのに有効だといわれているので、食事時刻も早 めにしましょう。2日目もお昼まで寝るようなことはせず、朝は早めの時刻に起きて光を浴び、サーカディアンリズムを前進させて。眠気が強い場合は午後2時 前後に30分程度の仮眠をとるようにしましょう。

3.西への旅行はサーカディアンリズムを後退させる
西への旅行は、就寝時刻と起床時刻を遅くして、サーカディアンリズムを後退させましょう。そのためには夜になってからも2,500ルクス以上の明るい光を 浴びることが有効です。ただ、入眠を妨げてしまうことがあるので、就寝直前は避け、夕食後などに光を浴びるようにしてみましょう。

4.現地の生活時間に合わせる
時差ボケを早く解消するには、1日目の過ごし方がとても重要で、飛行機の到着時刻によっても大きく左右されます。飛行機の中では眠れないという人は、でき れば現地に夕方到着する飛行機を選ぶことがオススメ。飛行機の中では眠らず、到着したら早めに夕食をすませ(消化のいいものを選び食べ過ぎない)、早めに 眠りましょう。到着してもなかなか眠れないときは軽い運動または入浴をして体を温め、気分をリラックスさせると眠りやすくなります。

朝到着の便になってしまった人は、飛行機の中ではなるべく眠っておきましょう。眠れなかった場合でも、現地についたら眠らずに、日中はなるべく明るい場所 で過ごすこと。どうしても眠たい場合は、現地時間の午後2時前後に30分程度の軽い仮眠をとりましょう。寝すぎたり、夕方遅くに寝てしまうと夜になっても 眠れなくなり、一層時差ボケがひどくなってしまうので注意して。

時差ぼけをひどくしないためには、出発前から少しずつサーカディアンリズムを調整することが理想で、日本に帰った後も行きとは逆の方法でサーカディアンリ ズムを再同調させることが必要になります。1~2時間の調整でも、数日は必要だといわれているので、数日間は調整する生活をしっかりと続けること。また、 時差ボケ症状は1日目にでやすく、ミスも起こりやすくなるので、車の運転はもちろん、スキューバなどをする人は十分に注意を! 時差ボケがひどい場合は、 メラトニン剤や短時間睡眠薬などを使った方法もあるので、その場合は専門医に相談を。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会