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眠りについて知ろう

No.19 睡眠不足は肥満を招く

 最近、メタボリックシンドローム※に注意と、あちこちで騒がれていますが、みなさんは何か対策をされているでしょうか? おそらく多くの人が食事に気をつけると答えられると思いますが、実は、睡眠も重要な要素。というのも、慢性的な睡眠不足は、肥満や便秘を招きやすく、血圧や血中脂質を高くする一因として考えられるからです。

メタボリックシンドロームとは
直訳すると代謝異常症候群のことで、複合生活習慣病とも訳される。内臓に脂肪が蓄積していて、かつ、血圧、血糖、血中脂質のいずれかの値が高い状態のこと をいう。放置していると糖尿病、高血圧症、高脂血症になりやすいだけでなく、それらに重複してかかった場合、動脈硬化になる率も高くなる。具体的には、ウ エスト周り(おへそ周囲)が男性の場合は85cm以上、女性90cm以上で、下記の項目に2つ以上あてはまる人はメタボリックシンドローム。
1.中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満のいずれかまたは両方
2.血圧が上で130mmHg以上、下で85mmHg以上のいずれかまたは両方
3.空腹時血糖が110mg/dl以上

睡眠時間が短い人は大人の場合も子どもの場合も太りやすい

 睡眠時間と肥満の関係についてはいくつかの研究グループが調査を行っていますが、いずれも睡眠が短いと体重が増えたり、食欲が増進される傾向があるという結果が出ています。詳しい調査結果は下記のとおり。

調査1: 米国コロンビア大学の研究グループが睡眠時間と体重の関係を調査
(32~59歳の8000人が対象)
結果: 平均睡眠時間が7~9時間の人と比べて、4時間以下の人では73%、5時間の人では50%、6時間の人でも23%に肥満傾向が見られた。
調査2: 英国スタンフォード大学の研究グループが睡眠時間と食欲に関係するホルモンの量を調査(30~60歳の1024人が対象)
結果: 平均睡眠時間8時間の人と比べて、5時間以下の人は、血中のグレリン(食欲亢進[増進]ホルモン)が14.9%も増加し、逆に血中のレプチン(食欲抑制ホルモン)は15.5%も減少。*レプチンが分泌されると満腹中枢に働き、「お腹いっぱい」と感じます。
調査3: 富山大学の研究グループが3歳児の睡眠時間とその後の肥満について調査
(89年度に富山県内に生まれ、3歳児検診の際に肥満とされなかった5520人が対象)
結果: 3歳の時の睡眠時間が10 時間台または11時間以上あった子どもは、そのうちの約12%が肥満になったが、9時間台では15%、9時間未満では20%が肥満になっており、11時間 以上寝ていた子どもと9時間台の睡眠をとっていた子供と比べると、肥満リスクは1.24倍、9時間未満の子どもと比べると1.59倍となった。

まとめ
 私たちの身体は、覚醒している日中はエネルギー代謝を上げ、睡眠中は体温も代謝も下がり、エネルギーを保存するように働きます。しかし、睡眠不足になる と、朝起きても眠気が強いために朝食を抜く傾向が見られ、その代わり、夜の食事が重くなる傾向があります。そのうえ、夕食時間も遅くなりやすく、調査デー タからわかるように食欲は増えているために、寝る直前まで食べてしまう傾向があり、脂肪として蓄積されやすくなります。
また、食事をすると眠気が和らぐ(覚醒反応)ため、睡眠不足の人は、炭水化物や糖分などを必要以上に摂ってしまう傾向があり、寝不足による疲れから、日中の運動量も低下。その結果、太りやすくなると考えられます。
何もやってもなかなか痩せないという人は、あれこれとダイエット法を模索するより、まずは睡眠時間を見直してみるほうが効果的かもしれません。

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美

日本睡眠学会 Japanise Society Of Sleep Research
JOBS 一般社団法人 日本睡眠改善協議会