ストレスを感じた直後は生体防御反応が起きて緊張が高まりますが、少し落ち着くと、安定した抵抗期となり、はじめのストレッサー(ストレス源)には抵抗できるようになります。ただ、この時に、新たなストレスが加わると抵抗性は低下してしまう特徴があります。また、強い刺激をもつストレッサーに長く暴露されると、生体の抵抗機能が疲労し、適応力がなくなってしまいます。つまり、一時的な急性ストレスより慢性ストレスのほうが心身の不健康を生じやすく、眠りへの影響も深刻になる(Lazarus, R.S)と考えられます。
重要な会議の前夜に眠れなくなる経験は誰にもあると思いますが、このようなストレスは、一時的に寝つきが悪くなっても体にはほとんどダメージは出ず、会議さえ終われば、眠れるようになります。しかし、仕事や人間関係の悩みなど、なかなか解消できないストレスは慢性化しやすく、抵抗性が低下していき、ジワジワと生体にダメージが加わり、眠れているようで眠れない、いつまでも気分がすぐれないといった状態になりやすいといえます。
ただし、適度なストレスはやる気を引き出し、目覚めを促す原動力にもなるので、まったくストレスがない状態もよくありません。自分の心の中でマイナスではなく、プラスに感じるようなほどよいストレス(目標など)は、生活にメリハリをつくり、睡眠覚醒リズムを整えるのにも役立つといえます。
主なストレッサーには、物理的(暑熱、寒冷、放射線、騒音など)、化学的(環境ホルモン、薬物、薬品、酸素欠乏など)、生物的(寄生虫、細菌感染など)、心理的(事故、死、手術、受験、試合、人間関係など)などがありますが、下記の「社会的再適応評定尺度」*を参考に自分がどんなストレスに弱いのか、理解しておくこと。そして、避けられる物は避け、自分なりのストレス解消法を準備しておくことが大切です。
「社会的再適応評定尺度」
ホームズ&レイ(1967年)氏が作成したもの。下記はその一部を抜粋したものです。ある事柄を経験し、その事柄に再適応する(元気な状態に戻る)のに必要なエネルギーの大きさを示しています。値が大きい事柄ほどストレス度が大きく、眠りにも影響する可能性が高いと考えられます。
※ストレスの感じ方は個人によって異なります。
| 生活上の出来事 | ストレス度 |
| 配偶者と死別 | 100 |
| 離婚 | 73 |
| 結婚生活における別居 | 65 |
| 刑務所への服役 | 63 |
| 障害を抱えたり病気になる | 53 |
| 結婚 | 50 |
| 仕事を首になる | 47 |
| 家族の病気 | 44 |
| 妊娠 | 40 |
| 性的な悩み | 39 |
| 子供の出産 | 39 |
| 財政的問題 | 38 |
| 親友との死別 | 37 |