快眠コンソーシアム

眠りについて知ろう

No.25 子どもの睡眠と親の生活習慣

「No.17 若い世代も睡眠不足」でもご紹介したように、日本では大人ばかりでなく、子どもたちも睡眠不足。ある調査では、小学校入学前36%、小学生59%、中学生67%、高校生74%が睡眠不足だという結果が出ていて、睡眠不足を訴えた生徒の多くには、朝食欠食、欠席・遅刻率、授業中の居眠り、集中困難、気分悪化、自律神経失調といった愁訴が見られると報告されています。最近、子どもたちの意欲の低下や生活の乱れなどが頻繁に報告されていますが、親のしつけ不足による超夜型化&睡眠不足も一因だと考えられます。皆さんのお子さんやお孫さんは、早寝早起きをしていますか?
お母さんの睡眠は子どもに影響しやすい
2002年、東京圏の400組の家族を対象に、母親の睡眠習慣と子どもの就寝時刻との関係を調べたところ、母親の就寝時刻が遅くなるに連れ、子どもの就寝時刻も遅くなるという結果が出ました(面白いことに、お父さんの就寝時間はあまり影響しない。日本の場合、子育てがお母さんだけに偏っているせいかも)。特に未就学の子どもでは、母子ともに極端に就寝時刻の遅い家庭が見られ、母親の就寝時刻が遅いほど子どもの睡眠健康に障害が見られることも判明しています。

学校(保育園含む)や仕事が始まる時間は朝の8~9時というのは昔も今もほぼ変わらないこと。夜型生活になれば当然、睡眠時間が減るということですが、子どもは大人以上に睡眠時間が必要。未就学の子どもでは最低10時間の睡眠時間が必要だといわれているのに、深夜0時をすぎて眠る子どもが少なくないのが現実です。その大きな原因がお母さんの睡眠習慣にあることを覚えておいてください。
※各世代の睡眠時間については「No.17若い世代も睡眠不足」をご参照ください。

子どもの睡眠習慣は親の責任
といっても、お母さんばかりが悪いわけではありません。かつてのような大家族であれば、おじいちゃんやおばあちゃんと眠る子どももいたはずですし、社会環境の急激な変化により、育児のすべてがいつの間にかお母さん一人の責任になってしまっていることが問題なのです。また、睡眠の重要性や、どんな眠り方が必要なのか科学的に証明されるようになってきたのも、つい最近のこと。子どもは好きなときに起きて好きなときに寝るのがいい。寝るのが遅くなってもお昼寝をたくさんさせればいいと思っている人もいることでしょう。地球時間に合わせて規則正しく寝起きすることの重要性や、子どもには大人以上に睡眠時間が必要であることを知っている人はまだまだ少ないはず。お子さんやお孫さんのいる方は、睡眠もしつけの一貫と考え、家族全員で子どもの眠りについて見直してみることをオススメします。

「No.16 40代女性がもっとも睡眠不足」でも述べたように、今の30~40代のお母さん世代の人たちは仕事に子育てに奮闘している人が多く、がんばっているからこそ、寝かしつけるのが遅くなってしまうというご家庭も少なくありません。まずは多くの人が睡眠の大切さを知り、お母さんばかりを忙しくせず、家族全員が協力しあうこと、そして、子育て世帯の働き方(育児休暇や夫婦とも残業を減らすなど)を見直すなど、社会的サポートも必要だといえるでしょう。

ただ、中には子どもを出世させようと夜遅くまで塾に行かせている教育熱心なお母さんもいらっしゃるかもしれません。でも、度を越えると、それは逆効果になりかねないので注意して。夜間睡眠が不足すると、日中、不規則に睡眠が混入しやすく(居眠りしやすい)、このような状態の子どもは脳神経系の発達が遅れ、感情をコントロールできない、注意を維持できない、記憶・学習に問題を生じるといった悪影響が出やすくなるといわれているので、ほどほどに!

文章:睡眠改善インストラクター 竹内由美
参考図書:『睡眠とメンタルヘルス』(ゆまに書房)監修=上里一郎・編=白川修一郎